ローカルベンチャー協議会は、このたび、協議会参画自治体の一つである島根県雲南市における「SATYOAMAツーリズムとインバウンド増加の効果を可視化したインパクトモデル」を作成し、雲南市のこれまでの起業家育成の実績と合わせて、「ローカルベンチャー協議会レポート」として公開しました。
本レポートは、島根県雲南市にて独自に実践されている起業家支援プログラム「Seedラボ」から誕生した「SATOYAMAツーリズム」をテーマに取り上げています。「SATOYAMAツーリズム」は、人と森が共生する世界の実現に向けて「SATOYAMA Tourism Valley 雲南」を目標として掲げ、観光コンテンツの企画・設計や観光客の受入れ体制の整備など戦略的な取り組みを進めてきました。すそ野の広い産業である観光を切り口として地域の多様なベンチャーの連携協力が生まれ、地域全体の活性化につながることを目指すとともに、観光というツールを活用して地域の有形・無形の資産を掘り起こし、最終的に市民一人ひとりのウェルビーイングにつなげていくことを目標としています。
レポート本文では、これまでの「SATOYAMAツーリズム」の活動実績を紹介するとともに、この取り組みがもたらすインパクトをわかりやすく可視化するため、「インバウンド(外国人)観光客の増加」を例にとり、それが「市民のウェルビーイング」という最終成果に向けて、いつ、どの分野で、どのようなインパクトをもたらしていくのかを「インパクトモデル」として整理しました。こうした可視化が地域のステークホルダー間の目標共有に役立ち、ネットワーク強化につながることを企図して、ローカルベンチャー協議会が参画自治体支援の一貫として作成したものです。
■背景:雲南市のローカルベンチャー育成について
雲南市は、住民自らが主体となって地域づくりを行う「地域自主組織」で知られ、若者・大人・子ども、全世代の住民が地域づくりにチャレンジできる環境を整えていることが多くの注目を集めてきました。ローカルベンチャー協議会には2016年の発足時から幹事自治体として参画し、「ローカルベンチャー推進事業」を実施しており、若者を対象とする次世代育成事業に注力してきたほか、企業との連携も積極的に進めています。
この次世代育成事業がベースとなり、雲南市の起業家(ローカルベンチャー)同士がつながり学び合うコミュニティとして、2021年に誕生したのが「Seedラボ」です。そのテーマの一つが森林の観光資源としての利活用を考える「森あそびラボ」。そこからさらに発展して「SATOYAMAツーリズム」がスタートしました。2023年度には、プレイヤー発掘や学び合い、将来的には事業開発を目指すためのプラットフォームとして「SATOYAMAツーリズム協議会」が立ち上がり、ツーリズムを通して未来の新しい「自然共生」の暮らしを日本各地にインストールしていくための検討を進めています。
レポートは下記リンク先からダウンロードできます。