ローカルベンチャー協議会は、2016年度より、地方における地域資源を活用した起業・新規事業開発を促進する「ローカルベンチャー推進事業」に取り組んできました。このたび、事業開始から10年目を迎えるにあたり、これまでの実績をまとめた「ローカルベンチャー推進事業白書2024」を刊行しました。
なぜローカルベンチャー推進が必要なのか、9年間の実績、起業支援だけにとどまらない都心企業との共創による事業開発や全国に広がる起業家のネットワーク、中間支援組織の役割や財源、立ち上げ方など、収録内容は多岐にわたります。
これまでの本事業の成果としては、2020年度までの5年間で、新規起業・事業創出274件、新規起業・事業創出による売上増約57.7億円、起業型・経営型人材の地方へのマッチング400人という実績を残しています(参画11自治体の合計)。また2021年度から2024年度までの4年間でも、新規起業・事業創出による売上増約53億円、都市部企業等との協働プロジェクト数256件、課題解決型人材の増加数1,465人などの成果が現れています。
このような成果とともに事業ノウハウを広く共有することで日本全国の自治体の持続可能性向上に寄与したいと考え、本レポートの全編を公開しました。
「ローカルベンチャー推進事業白書2024」https://initiative.localventures.jp/LocalVentureDatabook2024.pdf
■ローカルベンチャー推進事業とは
主に地方において地域社会の資源を活用して起業したり新規事業に挑戦したりする人(団体)をローカルベンチャーと呼び、その輩出・育成を目指す取り組みです。2016年9月、岡山県西粟倉村とETIC.の呼びかけに賛同した全国8つの自治体によりローカルベンチャー協議会が発足し、その後「広域連携によるローカルベンチャー推進事業」が内閣府の地方創生推進交付金に採択されてスタートしました。
起業支援のみにとどまらず、自然資本や文化資本を活用した持続可能な循環型ローカル経済の確立こそが、真の「地方創生」のカギを握ると考え、日本各地にそのような仕組みを誕生させることを目標に活動。事業開始からこれまでに延べ13自治体が参画し、①ローカルベンチャーによる売上規模の増加額、②新規事業創出数、③起業型・経営型人材の地域へのマッチング(就業紹介)数、④都市部企業等との協働プロジェクト件数、⑤課題解決型人材の増加数、⑥事業ノウハウ移転地域数といったKPIを定めて取り組みを進めてきました。
現在の協議会幹事自治体は北海道厚真町、宮城県気仙沼市、岡山県西粟倉村、島根県雲南市、愛媛県久万高原町、鹿児島県錦江町の6市町村です。
■「ローカルベンチャー推進事業白書2024」について
本レポートは、これまでの活動内容、上記のKPIに基づく定量的な成果に加え、数字では表せない定性的な成果についても詳細に記述したものです。本事業が2025年度で10年目(事業最終年度)を迎えるにあたり、より広範な自治体・企業・個人の方々にその意義をご理解いただきいと考えて刊行しました。私たちの取り組みにご賛同いただける方の輪を広げ、より望ましい形で地方創生の推進につなげるべく、全ページを無料で公開しています。
「ローカルベンチャー推進事業白書2024年版」の内容(目次より)
PART 1 ローカルベンチャー推進事業について
ローカルベンチャー協議会とは/ローカルベンチャー推進事業 誕生の背景とこれまでの歩み/ローカルベンチャー推進事業の仕組み/ローカルベンチャー推進事業のコアコンセプト/このレポートについて
PART 2 地域におけるローカルベンチャー推進の意義
第1期の成果 ローカルベンチャーの担い手を増やす/第2期の目標 都市部企業との連携で産業創出と地域課題の解決を目指す/第2期の取り組み 「本質的なKPI」としてローカルベンチャーの担い手の年齢構成を調査/第2期の成果例 担い手の先輩から学ぶ、仲間を増やす
PART 3 協議会としての取り組みの進化 ~ローカルベンチャーの集積促進~
起業家育成の基幹プログラム、ローカルベンチャーラボ/担い手間の交流を促進するローカルリーダーズミーティング/企業の力を地域に生かすプラットフォームづくり、企業×地域共創ラボ
PART 4 参画自治体の現場の取り組みを可視化~ローカルインダストリー創出に向けて~
北海道厚真町のケース/島根県雲南市のケース
PART 5 ローカルベンチャー推進体制~中間支援組織の重要性~
PART 6 まとめ、および今後に向けて
レポートは下記リンク先からダウンロードできます。